自動車保険をはじめて契約するときにオススメしたいこと

投稿日:2016年6月4日

損害保険会社の自動車事故の調査部門で働いていたものとして、はじめて自動車保険に加入するまえにぜひ注意していただきたいことをお伝えしたいとおもいます。

はじめての自動車保険を考える上で

自動車保険は金融商品自由化とともに選択肢が増え、特約などは複雑でわかりにくいと思います。特に、初めて自動車保険に加入される場合は、どのように選んだらいいのかわからないので、車を購入したお店でわからないまま契約される方も多いのではないでしょうか。

自賠責保険は、自動車購入時や車検の際に加入が義務付けられている強制保険ですが、任意保険は自分で選ぶことができます。自賠責保険だけでは、決められた範囲での対人保険しか補償されないので、任意保険でカバーする必要があります。対人・対物保険、人身傷害保険には加入したほうがいいと思います。

車両保険や搭乗者傷害保険については、保険料がその分上がってしまうので、必要に応じてご検討されてはいかがでしょうか。また、自動車保険の特約は、補償内容を充実させるためや、補償の制限をして保険料を安くするために自分で選ぶことができます。必要のない特約にまで加入すると、高額な保険料になり不要な分の保険料まで支払うことになってしまいます。

私が働いていた時、お客様から「事故に遭って初めて自分の契約内容を知った」という声をたくさん聞きました。初心者の方や、保険についてあまり知識がない方は、出来るだけ対面型の代理店介入型保険会社で保険内容の説明やアドバイスを受けて頂いたほうがいいと思います。保険内容が分かった上で、インターネットで複数の会社の一括見積もりが出来るので、保険料を比較してみることもお勧めします。通販型保険会社は代理店介入型保険会社より保険料が安くなります。

代理店が介入するとその分の手数料で保険料は高くなりますが、保険会社の営業時間外もサポートしてもらえること、中には事故現場に駆けつけてくれることもあるので、事故に遭った際に安心できるポイントです。保険料が安いことだけを重視するのではなく、事故に遭ってしまったときのサポートのことも考えた上で、自分に合った自動車保険に加入することをお勧めします。

自動車保険を契約するなら「対面代理店」・「通販型」のどっち?

初めて車を購入して、いざ自動車保険に加入するとき、

  • 「自動車保険はどこで加入したらいいのか?」
  • 「どうやって手続きをするのか?」
  • 「代理店とは?」

と様々な疑問があると思います。私自身、この仕事を経験するまで、代理店についても、自分で選べることも知りませんでした。まず、自動車保険の代理店の役割は、保険会社から委託を受け、保険の契約、保険料の徴収をします。更に、交通事故に遭った場合には事故受付、保険会社とお客様の間で窓口となり事故のサポートなど、多岐にわたります。もちろん代理店は保険を扱う資格を持っています。

代理店には、保険だけを専門に扱っている「専業代理店」と修理工場や車の販売業をしながら保険も扱っている「副業代理店」があります。

専業代理店とは

専業代理店は、自動車保険だけに関わらず、保険の知識を豊富にもっているので、加入時に複数の保険会社の保険料を試算してもらえ比較できアドバイスしてもらえることが強みだと思います。

副業代理店とは

副業代理店は、車の購入時や車検の時に一緒に契約でき、事故のときも車を修理に持って行った時に事故の報告を合わせてすることができます。修理工場によっては、事故現場までレッカーで駆けつけてくれたり、無料で代車を貸してくれることもあります。

現在、私は専業代理店で契約しています。

  • 自動車保険
  • 医療保険
  • 傷害保険
  • 生命保険、

全て同じ代理店を通して契約しています。それは、私が自動車保険以外は、保険の知識がないからです。例えば、自動車事故で怪我をしたとき、傷害保険でも請求できることがあります。何かあったとき、自分では気づいていない請求できる保険を、代理店に「この保険で請求できる」と教示してもらいたいのです。私にとっての“自分に合ったベストな代理店”は自分の苦手な分野をカバーしてくれる代理店です。

また、専業代理店であっても、事故の際は保険にロードサービスが付帯されており、保険会社の提携している修理工場で修理すれば、代車は無料で貸してもらえるので、心配していません。最後に、専業代理店でも副業代理店でも、自分に合った代理店で契約するべきです。一番重視するべき点は、代理店が「親身」になってくれるかどうかです。私の経験上、契約時や更新時に親身になってくれる代理店は、事故の時も同様に親身になってくれることが多いと感じました。

自動車保険のNO.1!よくよくかんがえてみてください

「顧客満足度ナンバーワン」「事故対応満足度92%」など保険会社のテレビコマーシャルをよく耳にします。 事故対応満足度の調査は保険会社が、自動車保険を利用した人を対象におこなうものです。

私の働いていた損害保険会社でも保険金支払い後にアンケートを実施していました。アンケートの結果は担当者にフィードバックされます。お客様からの「生の声」は自分の成績をつけられているようでドキドキしました。アンケートの中には、感謝のお言葉を書いてくださって嬉しいこともありましたが、思いがけないご指摘を頂き自分の未熟さを痛感することもありました。

この事故対応満足アンケートは、実は各保険会社によって満足度の出し方が違います。全く同じ条件で調査されている訳ではないので、本来は比較できないと思います。 アンケートは各社が独自に作っているので、内容が違います

たいてい、5段階評価で3点以上を満足とみなしているようですが、4点以上を満足と判断している会社があれば、他の会社より満足度が低くなってしまいます。そして、6段階や4段階で評価をする会社もあります。

私が働いていた保険会社では、毎年

  • 「満足」
  • 「やや満足」
  • 「普通」
  • 「やや不満」
  • 「不満」

と5段階で評価するようになっており、「普通」以上を満足と見なしていました。しかし、「普通」はどちらでもないのでは?という意見から、「普通」をなくして4段階に変更して実施しました。このように、各社がそれぞれアンケートを作成しているのです。

また、アンケートの対象者も、自動車保険を利用した全員にする会社もあれば、決まった期間に利用した人だけにする会社もあり、各社によってバラバラです。

それから、満足度は事故の内容も大きく関わると思います。優秀な担当者でも双方の主張が相違していて解決まで揉めてしまった案件では、どんなに丁寧に対応してもお客様には嫌な印象が残ってしまうことが多いです。

反対に、簡単な案件が多い新人担当者は、スムーズに事故解決でき満足度が高かったりします。どのような事故を担当するかは運ですし、お客様の事故の内容によって印象も変わるので、一概に満足度だけでは判断できないと思います。  上記を踏まえた上で、自動車保険を選ぶ時の一つの参考情報にしていただきたいです。

わたしはこんな補償がついた自動車保険に加入します

交通事故を多く見てきた私が、保険の選び方や必要だと感じた保険の特約について述べたいと思います。まず、保険会社をどう選ぶかという点ですが、大きな保険会社・小さな保険会社によって示談に有利、不利はありません。示談交渉では判例タイムズという一冊の本を参考にして保険会社同士が話し合います。

担当者の力量によることも中にはありますが、私が勤務している際、どこの保険会社が優秀な担当者がそろっているという話は聞いた事がありません。私なら、いろいろな保険会社で同じ保険内容の見積もりをとり、保険料で比較して安いほうを選ぶと思います。

具体的な保険内容については、対人・対物保険は無制限にし、人身傷害保険には必ず入ります。人身傷害保険があるので、搭乗者傷害保険には加入しなくてもいいと思いますが、保険料に応じて検討しようと思います。車両保険については、とても悩みましたが、車の年式が10年以内なのであれば付保しようと思います。その場合、車対車A(エコノミー) 特約で、免責金額5−10に設定し、免ゼロ特約をつけます。保険料は車対車A特約で制限をし、免責金額(自己負担金)を設定することで安くなります。

自動車保険の特約は金融商品自由化によって、とても複雑になったので選ぶ側からしたら何が必要かわかりにくくなってしまったように感じます。全てを付帯させたら保険料は高くなってしまいますし、不要な特約の保険料まで支払うことになってしまいます。実際には必要な特約は限られているように思いました。

そこで、私は、まず特約で運転者の限定をします。本人・配偶者限定にし、自分の年齢条件を合わせます。対物全損時修理差額の特約と弁護士費用特約は付帯させたほうが、示談時に安心できるので付帯します。車両保険の特約は上記の通りです。

また、私の場合、携行品特約や個人賠償特約は、傷害保険とクレジットカードの保険で付帯されており、重複するため自動車保険では必要ありません。特約をたくさん付帯せずシンプルでも、自分にとって安心できる保険内容で契約するべきだと思います。 個人的な意見ですが、これから自動車保険に新規加入される方や、更新の見直しの際に参考になればと幸いです。

最後に、記事を読んでいただいて、役立つ記事だと思いましたら、ぜひ「いいね!」などをお願いいたします。お読みいただき、ありがとうございました。

著者の情報

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日吉 浩之自動車保険の専門家
国内系大手損害保険会社でにて主に自動車販売会社の代理店営業を経験したのち、SBIホールディング社にて日本最大級の一括見積もりサイトの運営に従事。生損保約40社とのビジネスを介して、保険のダイレクトマーケティングを行ってきました。現在は株式会社プリモポストの代表取締役として、アニメーション動画(Youtube)を通じて保険をわかりやすく紹介する事業にも取り組んでいます。
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カテゴリー:専門家による記事,自動車保険