自動車保険が1日(短期間)だけ必要な方へ

投稿日:2019年6月14日

他人の自動車を運転するときは自動車保険の確認を忘れずに!

自動車を保有していないけど、家族や友人と泊りがけの旅行に出かけることになった。自動車は友人の自動車もしくはレンタカー会社から借りる。自動車保険が一時的に必要になった。そのような方がどのように自動車保険を手当てすべきか、自動車保険の専門家が解説します。最後までお読みください。

自動車保険の被保険者(保険の対象者)か確認する

自動車保険を使うには、自動車保険の被保険者になる必要性があります。今、お住まいの家に自動車を保有していなくても被保険者になっている可能性があります。あなたが結婚暦がない独身の場合の方はご確認ください!

結婚暦がない方は、別居の親の自動車保険を使える可能性があります

自動車保険は「他車運転危険担保特約」という特約が自動付帯されます。この特約は、他人の自動車を運転して事故をおこしたとき、自分の自動車保険で補償するというものです。

では、この他車運転危険担保特約を使える可能性がないか確認をするさいに、どのようなことを確認しなくてはいけないか、お伝えいたします。

親の自動車保険で確認をしたい3つのこと

親の自動車保険を使わせてもらうためには、3つのことを必ず確認してください。

1.自動車保険の契約期間

そもそも、親の自動車保険が有効な契約か確認してください。自動車保険証券をみたら、契約が切れていたということがありませんように..。

2.自動車保険の運転者年齢条件

運転者の年齢条件で自分自身も補償の範囲となる条件になっているか確認してください。30歳以上担保の条件で、21歳のお子さんが事故を起こしても、その自動車保険の他車運転危険担保特約は使えません。

3.自動車保険の運転者限定範囲

運転者の範囲の条件で、本人限定・夫婦限定等で別居の未婚の子どもが不担保になる条件になっていないか確認してください。

この3条件をクリアしていれば、レンタカーを含む他人の自動車を運転して事故を起こした場合、親の自動車保険を使うことができます。また、車両保険含め親の自動車保険の補償内容で対応することが出来るようになります。

 

同居ならおじいちゃんの保険を使える可能性があるんですよね!?

そうよ、年齢条件と運転者範囲がどうなっているか確認してね~

 

自動車を持っていないが、1日単位で加入が出来る自動車保険

親の自動車保険を使えないことを確認したら、自分で自動車保険に加入するしかありません。選択肢として、1日単位で契約する自動車保険と1年単位で契約する自動車保険がありますが、まずは1日単位の自動車保険を見たいと思います。

1日単位で契約できる自動車保険商品

大手の損保会社4社が1日単位で契約できる自動車保険商品を提供しています。保険会社の商品によっては1時間単位で補償期間を設定することが可能です。

  • ちょいのり保険(東京海上日動火災)
  • 乗るピタ!(損保ジャパン)
  • 1DAY保険(三井住友海上)
  • ワンデーサポーター(あいおいニッセイ同和)

1日単位で契約できる自動車保険の補償内容

対人賠償は他人のケガを補償します。家族は補償の対象外です。

各商品とも自動車保険の基本的な補償を付帯できる商品となっております。

  • 対人賠償
  • 対物賠償
  • 対物超過修理費用
  • 搭乗者傷害
  • 自損事故傷害
  • 借りた車の修復費用

ただ、ここで気をつけていただきたいのが、人身傷害が付帯されていないということです。人身傷害は、自分自身がよそ見等で追突しケガを負い、治療が必要となったときの治療費が出る補償です。

各社とも保険料を安く抑えるため、9割以上の自動車保険で付帯されている人身傷害の補償を外しています。

同乗者がケガをした場合、ケガをされた方が他人であれば自賠責保険・対人賠償が使える可能性が高いですが、ケガをされた方がご家族の場合、他人に該当しないということで対人賠償の支払い対象外になる可能性が大です

ご家族で出かけることを想定される場合は、自損事故で家族をケガさせたときに補償を十分に受けられない自動車保険と認識ください。

 

安さと手軽さばかり目がいってました!

気をつけてね。安さにはそれなりの理由があるのよ~

 

1日単位で契約できる自動車保険の保険料例

各保険会社ともスマホで手軽に契約ができます。また、保険料も通常の自動車保険と比較して安価です。各社のプラン名と保険料を確認したいと思います。

※なお、本保険料は記事執筆時点の保険料であることから、検討・加入時は各社のサイトで改めてご確認ください。

ちょいのり保険

  • 車両補償なしプラン:500円(24時間あたり)
  • 車両補償ありプラン(スタンダード):1,500円(24時間あたり)
  • 車両補償ありプラン(プレミアム):1,800円(24時間あたり)

乗るピタ!

  • ライトプラン:400円(12時間)・500円(24時間)
  • 基本プラン:1,200円(12時間)・1,500円(24時間)
  • 安心プラン:1,600円(12時間)・2,000円(24時間)

1DAY保険

  • 基本安心Aプラン:500円
  • お車も安心Bプラン:1,500円
  • お車も手荷物も安心Cプラン:1,800円

ワンデーサポーター

  • ベーシックプラン:500円
  • ワイドプラン:1,500円

保険料は非常に安いですが、別居の両親の自動車保険の運転者年齢条件や限定特約を外すことで被保険者になれるのであれば、一時的にでも補償内容を変えて対応した方がいいと思います。

ちなみに、超高級車やレンタカーなどは補償の対象外みたいよ~。対象自動車も確認してね~♪

1日単位で契約できる自動車保険は誰のため?

各保険会社のサイトで”○○”にオススメという項目をみると、1人暮らしのお子さんが実家に帰ったり、友人の自動車を使うことを想定しています。家族で出かけるときの補償として推奨している会社はありません。

同乗中の家族の補償が十分ではない自動車保険であることを、重ねて強調しておきます。

 

独身の方が、急いで自動車保険に加入する必要があるときにぴったりですね!

そうね。ただ、過失100%でケガをしたときは大変よ~。それだけ忘れないね♪

 

自動車を持っていないが、1年単位で加入が出来るドライバー保険

自動車を持っていないが、頻繁に他人の自動車を運転することがある方にぴったりの自動車保険があります。保険の対象となる自動車を特定せず、一般的な自動車保険と同じ等級制度を持った自動車保険があるのです。

ドライバー保険」と呼ばれる自動車保険です。

ドライバー保険の概要

ドライバー保険は、一般的な自動車保険と同じ6(S)等級から始まる等級制度を持った自動車保険ですが、補償内容に違いがあります。ドライバー保険の補償内容は主に下記の5つとなります。

  • 対人賠償
  • 対物賠償
  • 人身傷害
  • 搭乗者傷害
  • 自損事故

これは1日単位で契約できる自動車保険と同じで、車両保険を付帯できません。つまり、自身の過失が100%となる追突事故を起こしたら、自動車の修理費は自己負担になります。

ただ、1日単位で契約できる自動車保険と比較して人身傷害補償を付帯することができます。ご家族でお出かけされる方にとっては安心の補償を得られます。

また、ドライバー保険は大手損害保険会社であれば、どこの保険会社でも扱われている商品です。ダイレクト型自動車保険を扱う損害保険会社では三井ダイレクト社が唯一商品を販売しています。

ダイレクト系で追随する保険会社は出てこなかったカメ~

 

ドライバー保険の自動車保険料例

ドライバー保険は車両保険の補償が付帯できないことから、保険料は非常に安く感じられると思います。ダイレクト型で唯一取扱がある、三井ダイレクトで新規契約を試算してみました。

新規契約:21歳以上担保(29,870円/年払い)

  • 対人賠償:無制限
  • 対物賠償:無制限
  • 人身傷害:3,000万円
  • 搭乗者傷害:なし
  • 自損事故:なし

細かい補償はその他にもございますが、保険料として3万円程度で加入できる補償であることを認識頂ければと思います。

ドライバー保険は配偶者や子どもが同乗するドライバーのため

1日単位で契約できる自動車保険とドライバー保険の大きな違いは、人身傷害と車両修理費用が出るか出ないかという点にあります。ここで大切なのが、人身傷害の役割です。

人身傷害の役割について

人身傷害は人身事故を起こした場合、自分を含め、搭乗者全員の治療費や慰謝料・休業損害を1名あたりの保険金額を上限に支払うことができます。対人賠償で支払い対象外となる家族の治療費等が補償されるのです。

自損事故でケガを負った場合、一般的に健康保険を使えないとされています。対人賠償も使えない。つまり、人身傷害に頼るしかないのです。

1日単位で契約できる自動車保険は、子どもが1人で帰省する場合や、子どもが友人とドライブに遊びに行くことを想定としている商品で、家族を守る人身傷害の補償を付帯できません。

家族を乗せて他人の自動車を運転する場合は、ドライバー保険に加入するのが安心につながると思います。

 

人身傷害は僕の治療費もでるんですね!

そうよ、乗っている人全員。過失割合も関係なく♪

 

自動車を持っていないが1ヶ月単位で自動車保険に入る

自動車を運転するのに人身傷害がない自動車保険は避けたい。そのような方にぴったりな方法が、ドライバー保険を月払いで加入するという方法です。

自動車保険は12回払いという払込方法があります。一時払いより3%程度保険料が値上がりしますが、保険料は1ヶ月単位の保険料支払いとなります。契約開始後、1ヶ月以内に解約すれば1ヶ月分の保険料だけで済みます。

少し邪道な方法かもしれませんが、家族を守るということを考えれば必要な手段です。前向きに検討ください。

最後に

他人の自動車を運転するときには、まずはその自動車の任意保険が使えるか必ず確認をしてください。あなたが運転者で事故を起こしたとき、車の所有者は罰せられることはないのです。全て運転者の責任となります。

レンタカー会社から自動車を借りる場合は、必ず任意保険の補償内容を確認してください。ご家族が同乗する場合は、人身傷害がとても大切な補償であることを忘れないでくださいね。

1日単位で加入できる保険は、安いです。ただし、自分自身を守る補償が十分ではないため、親の自動車保険を一時的に使えるようにする。あるいは、ドライバー保険に加入することも検討ください。

公道を走っている自動車の10台に2台は任意保険をかけていない自動車です。自分自身、そしてご家族を守るためにもカーライフにほけるリスクをしっかり確認したうえで、そのリスクをどこの保険会社のどの商品に預けるかお選びくださいね。

著者の情報

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日吉 浩之自動車保険の専門家
国内系大手損害保険会社でにて主に自動車販売会社の代理店営業を経験したのち、SBIホールディング社にて日本最大級の一括見積もりサイトの運営に従事。生損保約40社とのビジネスを介して、保険のダイレクトマーケティングを行ってきました。現在は株式会社プリモポストの代表取締役として、アニメーション動画(Youtube)を通じて保険をわかりやすく紹介する事業にも取り組んでいます。
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カテゴリー:編集長コラム,自動車保険