健康保険の「被保険者」が扶養にできる「被扶養者」の範囲とは
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公的な健康保険制度には、被保険者が病気やケガをした場合に保険給付を実施してくれますが、家族である被扶養者も保険給付を実施してくれます。
被保険者と被扶養者
健康保険に加入できる者は、健康保険料を納付する被保険者となります。これは公的な健康保険でも、市町村の国民健康保険泥土でも考え方は一緒です。違うのは被扶養者を保険給付の対象にしているか、又はしていないかです。
健康保険
家族である被扶養者を保険給付の対象にしています。健康保険証は、本人(被保険者)か家族(被扶養者)と明記してあります。なお、保険料は給与で計算された等級で決定されるので同じ等級であれば、一人暮らしでも大家族でも、同じ健康保険料が毎月給与から徴収されています。保険料は会社と従業員である被保険者で折半して納付します。
国民健康保険
家族全員が被保険者という位置づけになっています。被扶養者という概念がありません。市町村の国民健康保険の場合、世帯合算で市町村から国民健康保険証が届きます。1年有効になっていまして、定期的に世帯年収で計算された際の国民健康保険料を納付することになります。保険料は健康保険のように会社と折半する相手がいませんので、全額納付することになります。
被扶養者の範囲
被扶養者に認定される範囲は、以下のように健康保険法で定められています。
- 被保険者の配偶者と直系尊属であり、子、孫、弟妹、配偶者(事実婚も認められています)であり、被保険者に生計を維持されている方をいいます。被扶養者であるお子さんが大学に進学して別居していたとしても、生計を維持されていれば認定されます。
- 被保険者の3親等以内の親族で同一世帯に生計維持されている方
- 被保険者の配偶者である父母と子
- 上記3.の配偶者が亡くなったあとの、父母と子
ただし、75歳以上になると後期高齢者になりまして、健康保険の被扶養者とは認められません。後期高齢者広域連合の後期高齢者被保険者となります。
健康保険協会:被扶養者の範囲より
被扶養者とは? | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
被扶養者の届出
従業員である被保険者に、新たに家族となるものが増えたり又は被扶養者の範囲から外れる者が出てきた場合には、「健康保険被扶養者(異動)届」を会社に提出します。会社の方でその書類を確認して、窓口である日本年金機構に送付します。その後、第3号保険者の有無を確認をして、日本年金機構経由で健康保険協会に届けられます。
被扶養者としての資格
健康保険者証を被扶養者にも交付されるには、年収130万円未満(配偶者が60歳以上の場合は180万円未満等)という収入要件があります。配偶者である奥さんがパートで家計を支えている場合、健康保険制度の被扶養者に入っていられることはとても重要です。外されると市町村の国民健康保険に加入しないといけません。毎年注意しながら、年収要件をクリアして健康保険制度の享受を受けましょう。
著者の情報
- 国内系大手損害保険会社でにて主に自動車販売会社の代理店営業を経験したのち、SBIホールディング社にて日本最大級の一括見積もりサイトの運営に従事。生損保約40社とのビジネスを介して、保険のダイレクトマーケティングを行ってきました。現在は株式会社プリモポストの代表取締役として、アニメーション動画(Youtube)を通じて保険をわかりやすく紹介する事業にも取り組んでいます。
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